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話の欠片 弐 涙の雨

「どうして雨は降るの?」
「お天道様が泣いているからだよ」
「何で泣いているいるの」
「どうしてだと思う?」
「悲しいからかな」
「そうかもしれないね。この世界ではいくつもの命が次々と消えていく。今もどこかで消えているのだろう。そんな彼らを悼んでいるのかもしれないね」
「ぼくが死んでも泣くのかな」
「どうだろうね。良い子にしていたら、悲しんでくれるかもしれないよ」
「でもぼく、あまり誰かが泣く姿を見るの好きじゃないなあ。だから別に悲しまなくてもいいと思うけど」
「うーん。じゃあ例えばだ、君が一番大切な人を思い浮かべてごらん」
「うん」
「その人が死んだとしよう。君は悲しむかい」
「あたりまえだよ。悲しくて、悲しくて、自分も死にたくなるかもしれない」
「そう。だからだよ」
「どういうこと?」
「君が泣く姿を、君が大切だと思う人も見たくないだろう。でも、君は現に、その人が死んだとしたら、悲しみに耐えられないという」
「うん」
「だけれども、ひとというのはあんがいと耐えられるものなんだよ。いずれその苦しみ、悲しみも薄れていく」
「確かに、薄れなかったらみんな、悲しいだけで死んじゃうかも」
「そう。だから雨が降るんだ」
「その話とどうつながるの?」
「つまりだね、おてんとうさまが、人々の代わりに涙を流して、悲しんで、苦しんで、その分ぼくらの負担を軽くしてくれるってことだよ。雨がぼくたちの悲しみ、苦しみを洗い流してくれる、とでも言おうか」
「じゃあ、雨の降らない場所はどうなるの。人々は悲しみで耐えられなくなっちゃうんじゃないの?」
「そういう場所は、お天道様が涙を抱えきれなくなっちゃったんだろうな。あまりにも大きな思いに、涙はかれてしまった。だから人々も救われない」
「どうすればいいの」
「君はどうすればいいと思う」
「ぼくがおてんとうさまの代わりになる」
「そう、それが正解だ。だけど君だけじゃ少し頼りないかもね。はは、そんな顔をしないでくれよ。例えばぼくだっているじゃないか。ほかにも君の大切な人、その人の大切な人。ぼくにだっていくつものつながりがある。みんなが集まれば、お天道様にだって負けないかもしれない。
 さながら夜空を埋め尽くす星星のように、大きな輝きを放つことだってできる。大きな雨だって降らすことはできるさ。いつかかわいた大地をうるおすために、緑も取り戻せる。いつか、きっとね」
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テーマ : 自作小説
ジャンル : 小説・文学

図書館の住人

樹


好物:百合、ファンタジー
傾向:眼鏡キャラ、マイナーキャラ

好きなカプは、ひだまりスケッチは沙英夏目、なずのり、マリみては蔦笙、けいおんは唯和、ストパニは渚玉、などなど。

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