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紫色のクオリア

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紫色のクオリア (電撃文庫)
うえお 久光 綱島 志朗


『さあ、トライ&エラーをはじめよう。』

SF、百合、どちらにしても最高位の面白さ、完成度を誇る傑作ライトノベル「紫色のクオリア」の感想です。
私は基本的にライトのベルというものはあまり好まないのですが、この作品を読んでからライトノベルも捨てたもんじゃないなと思い始めるようになりました。
感想を書くにあたり、再読してきました。はじめに読んだ時は一日で読み終えました。再読時は二日で読了。
この作品は「鞠井についてのエトセトラ」、「1/1,000,000,000のキス」、「If」の三篇で構成されていますが、それぞれ序章、本編、終章といった捕らえ方で間違いないと思います。
とにかく、「1/1,000,000,000のキス」がすばらしい。一度読み始めたら最後まで読むまで本を手放すことができないくらいです。

物語としては、他の人とは違う見え方のする、人がロボットに見える紫色の目を持つ鞠井ゆかりを主軸においた、波濤マナブという主人公の物語です。
ちなみにマナブは女性です。
まず設定が独特です。人がロボットに見える、さらにそれだけでなく・・・・・・これは読んでみてもらうしかないでしょう。
その目とマナブという名前、そしてマナブの男勝りな性格から、二人は衝撃的な出会いをします。
この出会いこそがすべてのはじまりであり、そして終わりでもあるのです。これ以上は読んでみてとしかいえません。
マナブの視点で語られる物語、マナブのゆかりに対する思いは明らかに友情のそれ以上です。「1/1,000,000,000のキス」を読めばすぐに分かるはずです。
この計り知れないほどの大きさの思いが、まるで胸のうちに流れ込むように伝わり、心を動かされないわけにはいきませんでした。

全体の感想を一言で表すなら「すごい」としか言いようがありません。中盤からのすさまじい急展開に、ただ圧倒されるばかりでした。
哲学的な用語もかなりでてきて少しとっつきにくかったり、ついてこれなくなる方もいるかもしれません。
ただ、それはすべて結末に向けての重要な因子であり、それが明らかになるとき、ただ感嘆のため息が漏れるのみです。

意外とあっけなく物語は幕を閉じます。読了後、えっこれで終わり? とぽかんとなってしまいました。
しかし、徐々に作中で述べられてきた一言一言がよみがえり、ああそうか、そういうことなのかと気づかされます。
すべての展開に意味があって、そして作者の伝えたいことがありありと流れ込んできます。
この不思議で、それでいて他の作品と比べられないほどの読了感。今まで読んできた作品の中で最高のものだと自信を持っていえます。


以下、多少踏み込んだ感想。


主に「1/1,000,000,000のキス」についてです。

題名にもあるように『キス』が大きな意味を持ってきます。
はじめてのキス、そして後半にさりげなく描かれるキス。この対比に気付いたときといったら、思わずうるっときました。

ゆかりが死んでしまう運命を変えるために、平行世界の何人もの「あたし」で、数え切れないほどの人生をやり直します。
トライ&エラー。マナブはゆかりを助けるために想像もできないほどの時を費やします。文章で読む文には一時間かそこらなのですが、実際にかかった時間を考えると愕然とします。
マナブの姿を想像すると胸が締め付けられる思いでした。

この作品で作者が一番伝えたかったことは「変えられるのは自分だけ」ということなのだと思います。
人を自分の思うままにできるなんて所詮は思い上がりであって、できっこない。なから人は支えあって、助け合って、互いに補うことでしか変えられない。つまり、自分を変え、相手も自分自身の意思で自分を変え、それでやっと一歩前進なのです。
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テーマ : ライトノベル
ジャンル : 小説・文学

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図書館の住人

樹


好物:百合、ファンタジー
傾向:眼鏡キャラ、マイナーキャラ

好きなカプは、ひだまりスケッチは沙英夏目、なずのり、マリみては蔦笙、けいおんは唯和、ストパニは渚玉、などなど。

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